Lingerie~after story~
耳に直に言葉を吹き込まれた感覚には、自分の防御を簡単に突き崩す効果があるらしい。
耳が弱いとか言うわけじゃなかったのに。
それでも、徐々に徐々に弱点の様に作り変えられていたのかもしれない。
誰に?
くじょ…
「あんた、どんだけ九条に熟成させられてるのよ?」
「あっ…ん…」
「ちょっと触って、声吹き込んだだけで……フッ、今自分がどれだけ誘うような顔してるか分かってる?」
「っ……や……オネエ口調…やめ…」
「あら、恐いっていうから戻してあげたのに。何?むしろこっちの口調じゃ抱きたい抵抗も抱けないほど築き上がった信頼感が邪魔をする?」
邪魔…するよ。
本当に困るほど…、
いや、本当に困ってる。
こんな事されたくないのに、恐いとも思うのに、九条くんが好きなのに……。
「フフッ、拒みたいのに拒めない?」
そうよ。
そう顔に書いてあるんでしょ?
イズミなら事細かく詳細に読み取れるんでしょ?
だったら…、
「それって、…俺の事も異性的にありだって本能が受け入れてるんじゃん」
「……え、」
「寧々が無自覚すぎただけで、もうとっくに俺達は両想いだったって事」
「っ……」
「俺を好きだろ?…寧々」
私がイズミを?
無自覚に両想い?
本能が受け入れてるとか…、
「っ…そんなの…わかんな___」
「分かんないじゃねえよ。ふざけんな」
「っ……」
ああ、この氷水の様に冷たく鋭い不機嫌な声音には、どんな熱に浮かされてようと瞬時に解熱され理性が冴える。