Lingerie~after story~
頭に来た瞬間の奇行は自分でも驚かされる。
何を思ったのか……、いや、思った事はさすがに理解している。
理解しているけれどそれを行動に移した自分に驚いているのだ。
大人しく寝てろ!!と強引に彼をベッドに縫い付けて、そのまま驚愕全開に私を見上げていた彼に噛みつく様に口づけたのだ。
マスク越しだと勿論念頭に置いて。
むしろマスク越しだし。と、咄嗟に羞恥の逃げ道を作っての行動だろう。
そうして突如のこんな奇行の理由を述べるのであれば……、
「っ……ご褒美の……前払い」
「………」
「これで……っ…良い子に寝てなさいっ、」
キパッと厳しく言い聞かせるような口調と表情は成功しただろう。
ただ、自分の意識ではどうにも制御不可能な顔の赤みは鮮明であった筈だ。
さすがに奇行すぎたのか、奇襲のあたりから今この瞬間まで驚愕に呆ける彼の姿が継続で。
我に返った彼に何かを指摘される前にガバッと起き上がるとそのまま逃げる様にベッドから降りた。
「ちゃんと寝るんだからね!?ご褒美上げたんだからね!?」
そんな押しつけがましい言葉を捨て台詞に、体を休める事を再度促すと今更な羞恥に悶えながらリビングへと逃げおおせたのだった。