愛人契約
そして、約束の日曜日が来た。

私は少し長めのスカートを履いて来た。

雑誌の編集さんをやっている人だから、今流行りの物に敏感だと思って。


待ち合わせの場所は、例のホテルのロビーを指定された。

本田さんと初めて会った、あのホテルのロビーで。


- いいホテルだろ? ロビーが素敵なんだ。 -


本田さんの、あの言葉が浮かぶ。

ホテルの入り口をくぐった時には、相手の人はもう来ていた。

私は急いで、待ち合わせのソファに向かった。

「すみません、お待たせしました。」

振り向いた人は、お洒落なおじ様と言った感じの人だった。

「もしかして、春日さん?」

「はい、春日です。」

私はその人に、一礼をした。

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