愛人契約
息をスーッと深く吸い込んだ。

「私、彼の恋人なので。」

「な、なんですって!」

これがいけなかったんだと思う。

私が勝ち誇った顔で、本田さんの近くへ行った時だ。


「危ない!」

振り返った時には、私は天井を仰いでいた。

ガッシャーンッ!

そんな音が聞こえて、私は床に頭を打ち付けていた。

「大丈夫?」

真っ先に私を心配してくれたのは、あの女性だった。


「どうした?」

本田さんが青い顔をして、駆けつけてくれた。

「ごめんなさい。何だか倒れてしまって……」

「貧血か?」

足に痛みが走る。

誰かに足を掛けられたのは、明らかだ。

「急に倒れてしまったの。びっくりしたわ。」

< 70 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop