愛人契約
私は、体が固まった。

「……どういう、意味ですか?」

「あら、隠さなくてもいいのよ。」

その女性は、ニコッと笑った。

「あの方は、一人の女性にのめり込むタイプじゃないから。」

胸がズキッと痛んだ。

「やけに、彼の事を知ってらっしゃるんですね。」

「私も、前に契約していた事があったのよ。」

なんだか、モヤモヤしてきた。

本田さんが、こんな派手な人を抱いていたなんて。


私はハッとして、首を横に振った。

本田さんが誰を抱こうと、勝手じゃない。

私には、それを嫌がる権利なんて、ないんだから。

でも……


「それなら、私の存在は貴重だって事なんでしょうか?」

「ええ?」
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