愛人契約
どのくらい眠っただろうか。

気が付くと、隣に勇介さんはいなかった。


「勇介さん?」

起き上がると、勇介さんは一人でお酒を飲んでいた。

「ああ、起きたか。」

私が起きた事に気づいて、バスローブのまま、財布に手を掛けた。

「これでいいかな。」

テーブルには、10万円の札束が二つ、置いてあった。

「あの……これは……」

私は、勇介さんの隣に座った。

「今日のパーティーの参加費用と、今夜の費用だ。」


こんなもの二つで、私達の熱い夜が清算されようとするなんて。

「ああ、そうだ。これじゃあ、足りないか。」

そう言って、勇介さんは追加で5万円を置いた。

「なに?何なの?」

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