血まみれ椿姫
「え?」


そう言ったのは綾菜ちゃんだった。


目の前で姉の頭が落ちたと言うことが理解できず、その場でキョトンとして立ちつくしている。


「危ない!」


俺は咄嗟にそう叫び綾菜ちゃんへ駆け寄っていた。


俺が綾菜ちゃんの体を引き寄せるより先に、風が起こった。


腕の中に抱きしめた綾菜ちゃんは驚いたように目を見開いていて、何かを言おうと口を開けていた。


しかし、それは言葉にはならなかった。


俺の腕の中にいる綾菜ちゃんの頭がゴロリと落ちて、抱きしめたままの体は真っ赤に染まった。


首の骨が血に染まり、骨の周辺の血はブクブクと泡のようにあふれ出していた。


俺は、綾菜ちゃんの体を抱きしめていることができなくなり力を抜いてしまった。


途端にその体は支えを失い、後方へとゆっくり倒れて行った。


「あ……あ……」


ベットリと手に付いた血はまだ暖かく、気が付けば俺はその場に膝をついていた。


そして……2人が立っていた後ろには、赤く染まった女の子が1人立っていたのだった……。
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