血まみれ椿姫
エレベーターから真っ直ぐ伸びた廊下の中央辺りで、暴れている男性とそれを取り押さえている看護師が見えた。
「鎮静剤を持ってきて!」
患者を押さえつけている看護師が叫び、若い看護師が慌ててナースステーションへと走って行く。
その手前ではドアが開け放たれたトイレで用をたしている男性がいて、ブツブツと何かを呟いていた。
そんな中、俺は真っ直ぐに城の病室へと向かった。
506号室。
そう書かれた部屋の前で立ち止まる。
そしてスッと息を吸い込んだ。
右手でノックをしようとしたとき、見知らぬ男性患者が俺の後ろを走りぬけて行った。
ここは精神病棟だ。
今、ここに城がいる。
俺は気を取り直し、ドアをノックしたのだった……。
「鎮静剤を持ってきて!」
患者を押さえつけている看護師が叫び、若い看護師が慌ててナースステーションへと走って行く。
その手前ではドアが開け放たれたトイレで用をたしている男性がいて、ブツブツと何かを呟いていた。
そんな中、俺は真っ直ぐに城の病室へと向かった。
506号室。
そう書かれた部屋の前で立ち止まる。
そしてスッと息を吸い込んだ。
右手でノックをしようとしたとき、見知らぬ男性患者が俺の後ろを走りぬけて行った。
ここは精神病棟だ。
今、ここに城がいる。
俺は気を取り直し、ドアをノックしたのだった……。