血まみれ椿姫
俺は肩で呼吸をしながら城を見下ろした。


城の手首には無数の傷があり、どれも真新しいものばかりだった。


きっと、入院してから自分で自分を傷つけたものだろう。


「なぁ……良真……」


城が俺を見る。


その目は不安と恐怖と悲しみに満ちていて、輝きが失われている。


「……わかってる」


俺は頷いた。


誰にも信用されなくても、俺は事件について調べる。


今度は絶対に後悔はしない……。

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