血まみれ椿姫
第一の被害者
放課後の教室はもう誰もいなかった。


風花の机に飾られていた花は白からピンクに変わっている。


どちらも風花が好きだった色だ。


教卓の上で分厚い生徒名簿を開くと、埃が舞った。


しばらく使われていないのだろう。


「毎年新しい名簿を作ってこれに挟んでいくんだけど、今年からはもう一冊新しいのを作ったんだ。そしたら誰も開かなくなったあっという間にホコリまみれだ」


そう言い、先生はせき込んだ。


俺は窓を開けて空気を循環させると、教卓へと戻った。


「この生徒は今から67年前に新宮高校を卒業していると思うんです」


生地に書かれていた生徒の年齢を思い出しながら俺は言った。


森林伐採に関わった年齢が25歳とあったので、逆算すれば67年前に卒業した事になる。


「そんなに昔の生徒の情報が、何か関係あるのか?」


その質問し、俺は先生を見た。
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