血まみれ椿姫
タイムリミット
城に声が聞こえて来たのとほぼ同時に、古家先輩にも聞こえて来ていたらしい。


それは風花と綾菜ちゃんに起こった現象と同じで、2人ともほぼ同時に死ぬ、という事を差していた。


時間がない事は明白だ。


俺たちは3人でタクシーに乗り、再び《椿ホーム》へと来ていた。


「城の言っていた祠っていうのは、どこへんにある?」


「たぶん、残っている森の中腹あたりだと思う。小学生のころに聞いた話だから、詳しくは覚えていないけど」


城は自身がなさそうにそう言った。


でも、今はそれを信じて行動するしかない。


古家先輩には今回立て続けに起きている事件と《椿森》に関係する事をタクシーの中で説明したが、まだ夢の中にいるように現実を受け止められていない様子だ。


それも当然だろう。


クラスメート2人が死んだのは自殺だと聞いていたのに、それが呪いだったのだから。


信じたくても、簡単には信じられないと思う。


それでも先輩は事の重大さを理解し、俺たちに黙って付いて来てくれていた。
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