血まみれ椿姫
呪いを消す方法なんて知らないけれど、当人が一緒にいた方がいいに決まっていた。


それから数分後、私服姿の先輩があらわれた。


シーンズに黒いTシャツというかなりラフな格好だ。


それでもいつもまとめている髪がほどかれていて、その魅力は増しているように感じるからさすがだなと感心してしまう。


「お待たせ」


ニコッと微笑む唇に思わず視線が向かう。


「呼び出してすみません。ついて来てほしい場所があるんです」


「男2人があたしをどうするつもり？」


いたずらっ子のようにそう聞かれ、俺は思わず言葉に詰まってしまった。


「冗談はよして下さい。大事な用事なんです」


俺の代わりに城がそう言い、古家先輩は瞬きをした。


「からかってごめんね。実はあたしも気になる事が1つあるの」


「気になる事？」


そう聞くと先輩はニコリと微笑んで言った。


「頭の中で、声がするの」
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