血まみれ椿姫
のり移る
葬儀が終わり、家に戻ると先輩からメールが来ていることに気が付いた。


《今日は本当にお疲れ様でした。ゆっくり休んでね》


俺をいたわるようなその内容に、思わず頬が緩む。


《ありがとう、そうするよ。俺、先輩の事ちゃんと好きになったかもしれない》


そう打って、文面を読み返し後ろの文章だけを消した。


メールで送るといつまでも残るし、やっぱり恥ずかしい。


明日会って直接言おう。


そう決めて、ベッドに横になった。


目を閉じて大きく呼吸をした、その瞬間……ゾクリと背筋が寒くなり、目を開けた。


なんだ?


この嫌な感じは。


いつもと変わらない部屋。


だけど何かが違う。


ベッドから起き上がり、電気をつけた。


その瞬間、背後に気配を感じて振り返る。


「トモキ……?」


そこに立っていたのはトモキだったのだ。
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