花と蝶
九月十日、後宮揀擇が行われた。出席者には貞恵公主や先々代の翁主などが呼ばれた。後宮の正嬪たちには関係がないことだったから、忙しいのは韓妃だけであった。
王妃揀擇や世子嬪揀擇より後宮揀擇は格が低いためか簡素化されている。王妃、世子嬪揀擇は三回も行われて候補者を絞った。候補者は行宮や離宮で教育を受けて冊妃、冊嬪されて正式な王妃、世子嬪となった。
今回、行われた後宮揀擇で権彩蓮が選ばれた。
それを聞いた時、正嬪はこの揀擇が出来レースだと直感した。誰かが裏で糸を引いているに違いない。
遊びに来ていた淑嬪は揀擇の結果を聞いて笑った。
「正嬪、面白くなったわね」
「全くです。皇貴妃の姪で中殿媽媽と同格…いえ、それ以上の家柄の後宮がやって来るんですからね」
「殿下は権賢の娘をどうなさるのかしら?淑儀や貴人では満足なさらないでしょう」
「後宮揀擇でいきなり嬪になった後宮もいます。嬪になさるでしょう」
「後宮は楽しみが次から次へと飛んでくるから飽きないわ」
朝廷では権彩蓮の位号について議論されていた。欣宗と権賢派は嬪を主張し、それ以外は貴人を主張していた。いきなり高位を与えては驕るから、貴人にして懐妊をしたら嬪にするべきだと功臣張仁豊(チャン・イプン)が言うと権賢は皇貴妃の姪であり、安平郷主の称号をもつ高貴な女人であると反論する。2人は主張しては反論してを繰り返し、朝廷は堂々巡りになっていた。
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