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それとも初めて同士との交流が出来たからだろうか。

自分の気持ちなのにそれはひどくあやふやだった。

するとそこで、ハル先輩が”実はさっきから気になっていたんだけど”と前置きした上で口を開く。


「……俺、名乗ったっけ?」


どうして自分の名前を知っているのかと、不思議だと言いたげな様子で首を傾げたハル先輩。


「(……ああ、この人は無自覚なんだ。)」


と、悟ってしまった。

きっとハル先輩は、自分という存在が周りにどう思われているのか何て、考えもしないし、気にしないタイプの人だ。

そして同時に自分の及ぼす影響力にも無頓着。


「あ、すいません。クラスの子がそう先輩のことを呼ぶものだから……、完全に無意識でした」


少なくとも同じ高校に通う生徒の中で、彼のことを知らない人はまず居ない。

そして彼あるいは彼女たちは、その多くが先輩のことを”ハル先輩”と呼ぶ。

誰が最初にそう呼び始めたのかは分からない。

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