俺様社長ときゅん甘同居
そう言うと、空いてる手を頬に添えて、私の顔を上げて目線を合わせる。

「晶子、俺はお前が好きだよ。俺の年齢から考えたらきっと、お前が最後の相手。だから逃がしてやれない。全力で捕まえに行くから」

その言葉と共に支えていない方の頬に暖かく、柔らかな感じが軽いリップ音と共にした。
目を見開く私に

「お前の気持ちには、そこそこ目を向けるが。言った通り全力で捕まえに行くから、手加減はしない。だから早く、俺に落ちてこい。俺はお前が欲しくて堪らないんだからな?」

どこまでも疑う余地のないストレートに甘い言葉と行動の数々に、私は動けない程の驚きに見舞われる。

この美魔王様で仕事の鬼が私を好き?!
目の前に居る、この甘ったるい言葉と気持ちを隠しもしない瞳で見つめてくる、美形が?

確かに行動も言葉も偽り無く本心なのは見れば分かる。
分かるけど、ダメだ。
私の許容量オーバーだ。

「とりあえず、飯食べに行くか。ほら、乗って」

いつの間にやら職場近くに砂川さんが借りている駐車場に着いたらしい。
助手席ドアを開けて乗るように促される。
何度か乗ったことのある国産の小回りの効く車に乗り込むと、助手席ドアが締められすぐに回り込んで砂川さんが運転席に乗り込んだ。

「シートベルトちゃんと付けろよ?」
「あ、はい」

我に返ってシートベルトを止める。

『 カシャン 』
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