俺様社長ときゅん甘同居

Side 拓

二人きりのご飯に誘っても、そういう相手としての誘いだと気づかない晶子。
そろそろ見てるだけも、小さなアピールでも我慢出来ない程には限界が来ていた。
だから、俺は真っ直ぐにわかり易く晶子に伝えた。

「晶子、俺はお前が好きだよ。俺の年齢から考えたらきっと、お前が最後の相手。だから逃がしてやれない。全力で捕まえに行くから」

すると晶子は目を見開いて驚いていた。
ここまでストレートに言わなきゃ伝わらない。

そんな、晶子だからこそ伝える俺もこの気持ちがしっかり伝わるように遠慮せずにぶつける。

「お前の気持ちには、そこそこ目を向けるが。言った通り全力で捕まえに行くから、手加減はしない。だから早く、俺に落ちてこい。俺はお前が欲しくて堪らないんだからな?」

今だかつて居た昔の恋人に向かってだって、ここまでの事は言わなかった。
晶子にも言った通り、最後の相手だと思うから。
晶子とはこの先の人生を共にしたいから。

逃したくない隣にいてほしい相手。
だからこそ、手加減もせずに全力で捕まえに行く。

大人の余裕?
そんなものは無い。
この歳まで結婚しないできて、やっと結婚したいと思える女に出会えたんだ。
捕まえるまでも捕まえてからも、俺はきっとこいつに必死だ。
恋に落ちた時点で負けとは、よく言ったもんだ。
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