俺様社長ときゅん甘同居
「拓さん、デザインとかの美的センス抜群なのに・・・」

私は、私が可愛いとは思わない。
クールな見た目は頑張っても可愛くないし、お世辞でも綺麗だよね位しか言われないし。

それを可愛いを連呼するとは、この人は・・・
どこまでもスマートに、甘い言葉と態度をとって私をとことん甘やかす。
しかも、それが心地良いなんて・・・

これって落ちたの?
落ちちゃったの?

自問自答するけども経験値低すぎて、己で判断出来ないとは不甲斐ない。

呆れちゃわない?
嫌にならない?

遠まわしな言葉や誘いを理解できないいい歳の女なんて・・・
そんな風に考えて、その思考回路にびっくりした。

え?え?
嫌われたくないって、好かれたいってこと?
私はこの人に好かれたいのか!
嫌われたくないのか。

急にストーンと落ちてきた答えに、恥ずかしさで赤くなる。
私、鈍い・・・

自己嫌悪で頭を抱えると。

「何か、考えてた事の結論出たみたいだな?」

ニヤリと笑って拓さんは、こっちを見てる。
その顔には分かってるって書いてある。
けど、多分拓さんは私の口から言わせたい。
聞きたいんだと思う。
私だってあんなにストレートに言われたんだもん。
返事は口にして言わなければならないと思う。
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