俺様社長ときゅん甘同居
誘われて、おとずれた書斎はシックでモダンな本棚にデスク、座り心地の良さそうな椅子にそのモダンさに合ったソファーが置かれていた。

この空間で家では仕事しているらしい。
物珍しくて、ついキョロキョロ見てしまう。

「こっちの本棚は完璧趣味で読んでる本だから、この辺りから好きに出して読んでいいぞ」

そう言われた本棚の前に行くと、数年前に爆発的に売れたものや、ある作家さんの本が固まってあったりと。
ジャンル問わず様々な本があった。
そこに、私が好きな鉄道サスペンスを発見。
取り出してソファーに座って読み始めた。

パソコンのキーボードやマウスのクリック音だけがする、静かな空間。
でもそこに居づらさは感じない。
各々好きにしてるのに、一緒の空間に居て苦痛を感じないと言うのはかなりリラックスしてる?
私はこの人に慣れてきたのか?

ちょっと読書の手を止めて思考の方に頭が回り出した頃、カタカタとしていた音がやんだ。

そして、シャッシャッという何かを書く音がするので顔を上げたら

「ちょ!拓さん何してるの?」

思わず、その手元を見て突っ込む。

「ん?仕事終わったら何か考えてる顔してて、綺麗だからちょっと個人的に残しときたくてさ」
「美的センスの無駄遣い!」
「俺はお前が可愛くて仕方ないんだから、それでいいの」

フワッと柔らかな笑顔は嘘偽り無くそう思っているのが分かる表情。
私の事を想っている事を隠さない、この美形の破壊力満点の笑顔はヤバイ。
心臓バクバクしてる。
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