俺様社長ときゅん甘同居
「ねえ、拓さん?そこは話しとくべき事じゃないの?そんなんで結婚していいの?」

「晶子!?」

驚く顔で私を見上げる拓さんに

「入籍は見送りましょうか?大事な話だと思う事を、話してもらえない関係では先が見えますから」

そう言うと

「お姉さん方、お話して下さりありがとうごさいました。
日曜にご実家にご挨拶に伺いますが、即の入籍はちょっと考えてからにします。今日はこれで失礼しますね」

そうして私は拓さんの隣から立ち帰ることにした。
引越し準備ですっかり広くなった私のアパートに。


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Side 拓


何も言えないままに、晶子を見送ってしまった。
実家は確かに裕福だが、俺はもう自立したいい大人。
今住んでるのは確かに生前分与なのでいい所だが、それも揉めないための財産分けである。

しかし、そんな詳しい話をしたらお金や地位には全く興味を示さない晶子には、逆に引かれてしまいそうで言えなかった。
ただ、実家を見れば分かるから。
その時には実家は裕福だが俺は普通の会社員だからと言うつもりだったのに。

姉の乱入で複雑な事態になった。

「挨拶行く前には自分で話すつもりだったのに。なんで今日来たんだ!俺がやっとの思いで捕まえたのに・・・」

ガックリしつつ言うと

「だって、あんた話さない気がしたから。でも、タイミング的はまずいことしたみたいね。悪かったわ」

ミチルが謝り、ミサキも

「話したのは悪かったわ。でも結婚を決めた割にはあなた達話してなさすぎじゃないかしら?挨拶は来ても入籍は晶子さんが言うように、少し後にしたら?」
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