俺様社長ときゅん甘同居
「うん、ピンクよりブルーだな。晶子似合ってるよ」

嵌めてもらった手を顔の前にかざしながら見る。
お花も小ぶりだし、ダイヤモンドもそこまで大きくない。
可愛らしいデザインにこのブルーダイヤモンドの色に一目惚れだ。
私の眺める表情から、分かったのだろう。

「このリングの、ブルーダイヤモンドの7号で」

拓さんはサラっと決めてしまった。
今更ながら指輪の値段を見ると、35万の数字にクラっとした。
でも、拓さんは好きなの選べって言った。
ここで言うのは

「ありがとう、拓さん!」

ニコッと言えば

「晶子の気に入るものがあって良かったよ」

そう、拓さんも甘い笑みを浮かべて返してくれた。

「そしたら、この指輪と重ね付けして大丈夫そうなシンプルなデザインのマリッジリングも見せてください」

店員さんも、ニコニコとしながら

「はい、ただいまお持ちします。少々お待ち下さいませ」

丁寧に対応して、また店員さんが下がって行った。

少しのあいだほかの棚を見たりしつつ待つ。
ここは、キラキラと輝く綺麗で可愛いものに溢れた空間だ。
ついつい、色々見てしまうけど指輪が第一である。

「お待たせいたしました」

その声で指輪のショーケース前に戻るとやはりビロードのトレーには三つほどシンプルな指輪が並んでいた。

「拓さんは、どれがいい?」
「俺か?俺はそうだな。コレが気になるかな」
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