それでも、幸運の女神は微笑む
騎士様は明るく笑って首を振った。


あ、なんか大丈夫そう。よかったぁ。

心の広い人たちばかりで本当に助かります・・・。




「いえいえ、気にしてませんよ。
でも、それならシェイだけでもいいですよー
ここの奴らは大体シェイって呼びますし」

「ありがとうございます。
アサヒ、彼はシェイです。シェイ」

「しえい?」

「“え”をもう少し弱く発音しましょう。
し、ぇ、い」

「みゅみゅ・・・し、ぇ、い・・・しぇいっ!」

「お上手です」

「おぉー上手い上手い!
頑張って呼んでくれてありがとうな」



柔らかくムムが微笑み、シェイさんがぽんぽんと頭を撫でてくれる。

照れ臭かったけど嬉しくて、ふへへとだらしなく頬が緩んだ。


しかしこれだけは言わせてもらわねば。



「しぇいっ!」

「ん?」

「わたし、アサヒ!じゅーはち!よろしくおねがいしましゅ!」


最後思いっきり噛んだ。

痛い・・・。


思わず涙目で口元をおさえていると、ぽかんと大きく口を開けたシェイさんが、呆然と呟いた。





「同い年・・・?」

「べよ?」

「あー・・・俺も、18」


ちょいちょいっと自分を指差し、ちょっと困ったように笑った彼に唖然とした。




同い年・・・?


190以上ありそうな身長にしなやかだけどきちんと筋肉がついているとわかる体。

朗らかだけど落ち着きのある光を宿すヘーゼルの瞳。



え、これで同い年?

異世界人ってやっぱり日本人よりすっごい大人びてる!!!





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