極上の愛をキミへ
『じゃ、出るからには頑張って』

『うん。吏斗は、何に出るの?』

『俺は、サッカー』

『それ、ズルくない?吏斗、サッカー部だったでしょ?』


吏斗は子供から、ずっとサッカーをやっていた。


『俺がズルかったら、結衣のクラスはどうなのさ』


当時のあたしのクラスには、サッカー部が結構いた。

そして、うちのクラスからサッカーに出るのは8割方サッカー部に所属していた。


『サッカーは、きっと結衣たちのクラスが優勝だよ』


そう言い切る吏斗が、少しだけ可哀想だった。


『わかんないよ、やってみなきゃ。だから頑張って、吏斗も優勝目指してよ』


そんなあたしの言葉に、吏斗は嬉しそうに笑った。

< 203 / 285 >

この作品をシェア

pagetop