極上の愛をキミへ
「どうぞ、ごゆっくりお過ごしください」


部屋の前でスタッフから言われ、ありがとうございます。と曖昧な笑顔で返す。


「でわ」


軽く頭を下げ、居なくなるスタッフを見送り、部屋の中へと入った。

無数の風船やバルーンで、華やかに飾り付けられた部屋に驚きながら、部屋中を見渡す。

happy birthday yuiの文字に、明日が自分の誕生日だったことを思う。

誕生日を覚えくれていたことに、自然と笑みが零れた。

風船から繋がるリボンの先には、幼い頃の2人の写真。

吏斗の隣で笑うあたしは、幸せそうな笑みを浮かべている。

写真たちを1つ1つ集め、胸の中で抱きしめる。


「ありがとう、吏斗。吏斗のおかげで、幸せな誕生日を迎えらそうだよ」


気付けば、あと数分で今日が終わる。

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