極上の愛をキミへ
掴まれて腕を引かれ、朝比奈の胸の中に収められる。


「バカだと思うだろ?でも、どうしても結衣が欲しい。失いたくない」


甘く切ない痛みが、胸を苦しくさせる。


「約束してくれますか?」

「結衣の願いなら、何でも」

「あたしを置いて、いかないで・・・」


それは、最後のあたしの悪あがきだ。

人はいつか死ぬし、人の気持ちもいつか変わってしまう。

それでも、ただ約束が欲しい。

今だけでも、口だけでも良い。

不安になった時、朝比奈と吏斗を重ねないためにも・・・

朝比奈はそっと距離を取り、真っ直ぐにあたしのことを見ると口を開く。


「ずっと、結衣の傍にいる。誓うよ。命の限り・・・」


恥ずかしがることもなく真っ直ぐに、朝比奈は言い切る。

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