薔薇姫《短編》
姫が毎日丹精込めて育てた薔薇達は、姫が薔薇を愛する以上に姫を愛していました。


ですから、繊細な薔薇達には、姫が夫となる次の王に奪われることが我慢ならなかったのです。


薔薇達は祈りました。
「どうぞ、未来永劫、姫様を我々のものにしてください」



薔薇達は、ただ今のままの生活が続くようにと祈ったつもりでした。

ところが、「そなたの願いをかなえてやろう」

そう現れた黒い魔術師は、呪いをかけて薔薇の姿を大きな茨の姿に変え、姫を永久の眠りへとつかせたのです。






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