あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」
サビを歌う俺の耳に不安げな声が幾つも聞こえた。
俺は俺の不安を悟られたのかと、笑顔を作って歌おうとする。
笑っているはずなのに不安げなざわめきは、さらに拡がっていく。
「和音、泣かないで!?」
俺は一際大きく聞こえた声に、自分の頬に触れてハッとした。
ーー涙!? ウソだろ……
思うそばから、目の前の何もかもが滲んでいく。
頬を伝い、口に入ってくる塩っぱさが止まらない。
俺はそれでも「カナリア」を最後まで歌い続けた。
速水さんから「下手に話すな」と堅く言われていて、「解散したくない」そんな大事な思いを吐き出す訳にはいかなかった。
俺の涙に感化され、俺を励ますように重なる歌声の暖かさに、俺の涙はいつまでも止まらなかった。
俺は俺の不安を悟られたのかと、笑顔を作って歌おうとする。
笑っているはずなのに不安げなざわめきは、さらに拡がっていく。
「和音、泣かないで!?」
俺は一際大きく聞こえた声に、自分の頬に触れてハッとした。
ーー涙!? ウソだろ……
思うそばから、目の前の何もかもが滲んでいく。
頬を伝い、口に入ってくる塩っぱさが止まらない。
俺はそれでも「カナリア」を最後まで歌い続けた。
速水さんから「下手に話すな」と堅く言われていて、「解散したくない」そんな大事な思いを吐き出す訳にはいかなかった。
俺の涙に感化され、俺を励ますように重なる歌声の暖かさに、俺の涙はいつまでも止まらなかった。