「人」拾いました。拾われました。2
東屋本邸
「一輝これは何だ?」
机の上に置かれ物には“辞表”と書かれたものがある
「読んで字の通りですが、おじいさん」
「お前というやつはワシら椎本家は代々東屋に仕えてきた家系なのだぞ。こんなことが許されると思っているのか。」
「そんな事を言っているから父さんも母さんも出て行ったのですよ。」
そう父と母は俺達兄弟が小さい時にここから出ていってしまった
おそらくこの祖父に嫌気を指したのだろう
「ご主人様お世話になりました。」
お手本のようなお辞儀
「昨日、若菜から学校を辞めたと連絡がきたが、
お前達何を企んでいる?」
ギロっ
「お答え出来ません。失礼致します。」
纏めておいた荷物を持ち東屋邸の門をくぐる
「行くのね。」
祖父に話を聞いたのか門のそばには祖母が立っていた
「はい。ご迷惑をおかけしました。」
「いいのよ。私こそ何も出来なくてごめんなさい。
若菜お嬢様と仲良くね。
佳祐様と蛍さんのこともよろしくお願い、」
「おばあさんもお元気で」
祖母はこの家には不向きなタイプ
ブーーブーブーー(バイブ音)
「もしもし、」
〈おわった?〉
「終わったさ、辞表を出した時は爺さんはかなり怒っていたけど。
今、空港?」
〈えぇ、迎えはいいわよ。一輝が迎えに来るより電車で新居に向かう方が早いわ〉
「了解。マンションに向かうぞ。」
佳祐が驚く顔が楽しみだ。
ご主人様もどう出てくるかも心配だな
とりあえず車には注意するか
これから忙しくなるぞー!
佳祐の母の死因《事故死》ひき逃げ
現在も犯人は捕まっていない