月が綺麗ですね
私は首から下げられている彼女の社員証をチラッと見る。

「もし、安部さんが山田さんを自分の目でそう判断したのなら、”鬼の山田”と言っても構わない。けれど、あてにならない噂で山田さんを色眼鏡で見てしまったら、それは安部さんにとっても損失になると思う」

「そうでしょうか?」

「今はまだ分からないかもしれないけれど、”恐い”って思わないで違う角度から山田さんを見れば、きっと私の言っている意味がわかると思うわ。あっ、ごめんね。お説教みないになっちゃって」

「そんなことないです。ありあとうございます」


安部さんはペコリと頭を下げた。


「先輩、コールセンターの内海さんはどんな人ですか?」


えっと内海さん...。

確かセンター長の補佐をしている男性だったよね?


「ごめんね。彼のことは詳しくは分からないなぁ」

「この子、内海さんにひと目惚れしたんですよっ」


安部さんがひじで彼女の脇腹をつつく。


「言わないでよっ!!」


頬を赤らめて彼女は怒る。


「確かに内海さんってイケメンよね。私も素敵だと思うわよっ。まだ独身だとは思うけど、彼女がいるかどうかまでは分からないなぁ」

「マジ私のタイプなんですよ。やっぱり先輩もイケメンだと思いますよねっ」

「うん」笑顔で答える。
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