王星×神帝 幻の闇王(仮)1

蜂高 乙那 side



何でこんなことになったんだろ…
私は何を間違えた




どこで歯車が狂った




意識が遠退く中、
私は中学の頃を思い出した








私には、たった1人の友達が居る


特にいじめられてる訳じゃない
私の周りには人が集まる


だけど皆、私を見ていない

私の肩書きだけしか見ていなかった




でも、たった1人だけ私の肩書きではなく
中身を見てくれる子が居た


「乙那ちゃん、今日の帰りどこか寄る?」
と私のたった1人の友達 山辺 希沙


168㎝ある私からしたら

小動物みたいな小ささで
クリクリとした目が凄く可愛い子


「んー今日は、あの駅前のクレープ屋で
クレープ食べない?」
と私が言えば


「やっぱり乙那ちゃんは、
どこ行く?って聞いたら食べ物屋さんだね」
とクスクスっと笑いながら私の意見に賛成してくれる。




「ふむふむ…

希沙は、神月 帝が好きなんだね?」
と抹茶とあんこのクレープを食べながら言う私


クレープを食べながらの恋話



「う…うん」と顔を赤くしながら頷く希沙


「もう、希沙可愛いー」
と希沙を抱きしめ希沙のイチゴのクレープを一口食べる


「ちょ、乙那ちゃん!!!」
とちょっと怒った顔をする希沙


「ごめんごめんw
希沙が凄く美味しそうに食べるからさ?」


だって小さな口で一生懸命食べる姿を
見てたらね?


「もう…乙那ちゃんったら。

乙那ちゃんは好きな人居ないの?」
とタピオカ入りのライチジュースを飲んでる私に聞いてくる希沙



「えっ?す、好きな人!!?」
驚く私に


「あ、居るんだー?教えて?」
と小悪魔のようにニコニコしてる希沙


「えっと…」


まさか自分が聞かれるとは…
まぁ、そりゃ聞かれるか


「もしかして、乙那ちゃん教えてくれないの?

私は教えたのに…まさか、帝君?」
と不安そうな顔をする希沙に


「言う!言う!好きな人言う!!!

えっと…江南…が好き…」
と咄嗟に答えた名前


本当は、希沙が好き…
だけど、そんなこと言えない

困らせるだけ笑って誤魔化されるだけ


女子達が江南を見てキャーキャー
騒いでるのを思い出して言っただけだった


学年で4、5番目ぐらいの人気の江南

ルックスだけだと
神月兄弟と栗東には勝てない


勉強の方では神月帝に勝てない

私の中ではちょっと可哀想な奴

それが私の中での江南の印象だった

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