拘束時間   〜 追憶の絆 〜
「沙綾と再会して俺の事"怜斗"って呼んでくれて、好きだって思ってくれてるのを知った時、すごく嬉しかった。......永かった。やっと、俺達想いが通じ合った。」

そして彼は、少年のように。屈託のない笑顔で少し茶目っ気を覗かせながら言った。

「子供の頃から。ずっと......、待っていたよ。俺だけのプリンセス」

彼からの言葉に私の胸は、”キュンッ”と、まるでウエディングベルのように甘く鳴り響いた。

瞳が潤み揺れて、淡いスタンドランプの光に彩られた彼の素顔がこの上なく愛しい......。

私は、堪らず自分からキスをした。

それから、私達はどこまでも甘い蜜に浸かっていった......。



「......っ!!」

私は彼を受け入れた ーー。

その直後に、内部を刺すような痛みに襲われた。

だけど。それが彼に抱かれている証だと思うと、その痛みすら愛おしい......。

ーー この痛みは、愛する男(ひと)の腕の中でしか味わえない痛みだ。

必死で彼にすがりついていると、次第に内部の痛みは和らいで彼を見つめる余裕もできた。

彼は私に見つめられるのを待っていたかのように。

琥珀色の瞳に私を映しながら優しく微笑んで告げてくれた。

「沙綾、愛してる......」

私は彼の言葉を受け取った瞬間に、涙で視界が滲んだ。

そして彼と私は甘ったるくて、底なしに深い”くちづけ”を交わした......。

彼は私の首元に頬を埋めて、強く抱き締めながら果てた。

その後、荒々しい呼吸を落ち着かせてから。彼は私を強く抱き締めたまま、耳元で囁いた。

「結婚しよう......」

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