真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
「......うん」

ジークとのことに、ひたすら保身に走ろうとしていた私は本心を吐露した彼の言葉に胸が強く絞られて、彼と呼応するように切なげな表情で頷いた。

私の返事を聞いた彼は、切羽詰まった様子を少しばかり緩ませると、綺麗に平らげた皿を私の分と一緒にシンクへ運んだ。

もともと行動力のある男(ひと)だけど、今日の彼は何か得体のしれない焦燥感に追い立てられているようだった。

「皿、俺が洗うから、優花は見たい映画選んでて」

「......うん、ありがとう」

私は彼に促されるまま、リビングに戻りソファに座って配信中の映画の中から二人で楽しめそうな作品を選んでいた。

ヒューマンドラマ、アクション、ファンタジー......数あるジャンルの中でも、好きな男(ひと)と、やはり一番見たいと思うのは、王道のラブストーリー。

でも、劇中の甘い恋人達を前にして、果たして、彼と私は平静を保っていられるのだろうか?

「見たいやつ決まった?」

あれやこれやと妄想を繰り広げていると、キッチンの片付けを終えた広務さんがリビングにやってきた。

彼は私の右隣に座り左腕を伸ばして、私の二の腕に優しく触れた。

彼の温かい手のひらの感触を自分の身体の中でも特に柔らかい部分に感じると、なんだか守られているようで、とても心地良い。

「広務さん、私これが見たいっ」

彼に片腕で抱かれた私が甘えた声で提示した作品は、結局あれやこれやと悩んだ末に、王道のラブストーリーだった。

「じゃ、これにしよっか」

「うん!」

私は彼が快諾してくれた事に上機嫌で甘えながら、片腕で私を抱く彼の肩にそっと頭を乗せた。

彼は肩に乗った私の頭を優しく撫でると、ゆっくりと髪を梳きながら言った。

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