終わりで始まる進化論~第一部~
春日井アリス



訓練を終えたナツキ達は、羽柴の部屋に通されて洋館風のソファーで一応寛いでいるのだが、やはりこの独特な派手さは性に合わないらしく、ナツキにはあまりリラックスできる環境ではない。





しかし、羽柴は一向に構うようすもなく自分で淹れた紅茶を楽しみながら、本題へと入った。







「第二形態人種(セカンドタイプ)の羽化への阻止とシェルズ・コアの駆除を主に担当してる我々ですが、この組織は細々とではありますが、幾つか支所があるのです。



それが大きく四つに分かれており、北部、南部、西部、東部と各種で与えられた任務をこなします。私たちがいるのは中央部(セントラル)であり本部とも呼ばれています」







「で、今回はその東部の人達が来るって事ですか?」






ナツキの問いかけるも、隣のシノミヤは紅茶を暫く見つめていたものの結局手をつけることもなく、隣のロールケーキをバーベキューの串刺しの形のようにフォークを突き刺してかじる。







不機嫌さのバロメーターが振りきりそうな勢いだ。





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