男嫌いな僕と新撰組。
***
広間に集められた幹部。
しつこく騒いでいた土方さんと沖田さんは「土方さんは沢庵を、沖田さんには甘味をあげますので静かにして」
という言葉で黙らせましたよ
なんとか静かになり、緊張感のある空間となった。
……のだが
「歳。この可愛いお嬢さんを攫ったのか?」
イケメンが揃う中で唯一、フツメンでごつい顔をした人のこの言葉に皆が拍子抜けた。
「かっちゃ…近藤さん?!な訳ねぇだろーが!」
「そうなのか?すまんな、てっきり」
どう思われてるの、土方さんは
「近藤さんはわるくありませんよ!そう思われている土方野郎がわるいんです!」
「総司、てめぇは黙ってろ!」
「まあまあ、歳。総司もありがとな。」
そう言って、優しく微笑む
御礼言うってどういうこと、、
「い、いえっ!近藤さんのためなら僕、なんでもします!」
それはやばいよ、こわいよ
「で、お嬢さん。御名前は?」
『河合 流唯です。あとさっき土方?さんに聞かれたけど僕は異人じゃないです』
さっきも自己紹介したのに、めんどいね(まあ、言ってない情報もあるけど)
てか、僕お嬢さんなんだね
「異人じゃないのか?……そうか。なら、いい。俺は近藤 勇。ここ、新撰組の局長だ。よろしくな」
『はい』
よろしくしていいんだね
まあ、入隊したらするつもりだけど
てか、信じるのはや…
「近藤さん!何言ってんだ!てか、こいつ異人じゃねえってどう見ても異人だろうが!!」
「いや、だってこんな男ばっかの所にひとり可愛い流唯くんだけなんだ。心細いじゃないか。
それに俺たちと言葉が通じてる、異人なわけない」
「いや、そうだけど、そういうこと言ってんじゃねえーよ!
まずなんで嘘ついてるかもしれねぇー奴に名乗ったりしたんだってことだよ!異人じゃない、なんて簡単に言えるだろーが!言葉もこいつが覚えてきたら簡単だ」
うん、僕も信じすぎって思ったよ
てか、土方って奴喋りすぎだよ
「名乗らないのは失礼じゃないか。して流唯くん。君は何しにここに来たんだ?」
穏やかな口調で聞いてくる近藤さん
スルーしたね。土方さん落ち込んじゃってるよ、いいの?……僕は大歓迎だけど
「……はあ、異人じゃねえってことは認めたる。だから話せ」
……うん、スルーして正解だよ近藤さん
『……』
……てかさ、何様なの全く。
『僕は、入隊したくて来ました。新撰組の隊士として』
僕は心が広いから言ってあげるけどさ
「「「「………………」」」」
なに、黙ってんの