深緑のルルーシュ
動きを止めた男の姿と言ったら、滑稽だ。




透明化した魔族を見るには、目に魔力を集中させなければならない。


それにここまでの技術は、上級魔法使いにしか使いこなせないのだ。



「お前こそ、ここの者じゃないだろう。」


「んんー!」



そうだよな。喋れないよな。



クスクスと笑みを浮かべ、私はまた伯爵様の元へと足を進めた。








黒髪の魔法使いか...









古来、魔力を授かった者は、髪は色素が抜けてしまう。



人本来の黒髪は、魔力が無い証。




例えばそれが、私みたいにいっ時の魔法で、身分詐称が目的でない限りは...






「...はっ!?」








刹那、氷が砕ける音が背後から聞こえてきた。








振り返れば、拘束していたはずの男の姿は無かった。







目に魔力を惑わせ、透明化したか確認するが、どうやら逃げたらしい。






何故、早く気づかなかった。私は馬鹿だ。


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