お前以外は欲しくない・・・。
 「杏・・・。」
 私は誘われるがまま、彼の腕の中へ・・・。

 「今夜は真っ暗にしない。チョコくれない罰だ。俺が杏をチョコみたいに甘く溶かしてやる・・・。ん・・・っっ。」
 
 初めて・・・。

 私の肌にキスをして、私の名前を呼んで、私を求める彼の姿をこんなにハッキリと見るのは。
 彼の眼差しが胸に焼きつく。

 胸の奥からこみ上げた気持ちが自然と唇から告げられた。
 
 「愛してるよ・・・、凌。」

 初めて・・・。

 私から先に彼へ愛を告げたのは ーー。

 「バレンタインデーなんて無くなればいいのに・・・。」
 「・・・やっぱり、怒ってるの?チョコが無かったこと。」
 「違うよ・・・。バレンタインデーが女の子から愛を告白する日だから。」
 「どういうこと・・??」
 「”愛してる”って、いつも俺から先に杏に言いたいから・・・。」
 
 ーー 暖かいオレンジ色の光に包まれた部屋で、ハッキリと見える彼の優しい笑顔。

 「愛してる。凌・・・。」
 
 また、私から告げてしまった。

 「それじゃあ、俺はこれでお返し・・・。んっ・・・。」

 凌は、私の肌に無数のキスの雨を降らせた ーー。

 「愛してる、杏。チョコレートなんていらない。お前以外は欲しくない・・・。」

 ーー バレンタインデーの夜は、チョコレートよりもずっと甘かった♡
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