【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「水美、こっちおいで?」
「いーや。今夜はもう帰るの。そう決めたの」
その優しさで、抱きたがる腕をするりとかわして、それでも心はそっと寄り添う。
私の気持ちをちゃんと、掴んでて。
ずっともっと、確かに。
全てを捨ててもいいの。
私の全てをあげる。
私の過去も未来もその先も…。
傷だらけだった私を掬い上げてくれた貴方だから…。
私は全てを掛けて貴方を愛したい。
そんな小さな願いは、今貴方にどれだけ届いてますか?
「…じゃあ、送ってく」
「いい。もう、帰り方も分かってるし。タクシー拾うから」
「みーなーみ?ほんと、今日のお前、おかしいよ?」
ぴと
不意を付いておでこに触れられた手。
その熱さに、心がグラつく。
こんな些細なことで、気持ちは素直に受け入れてしまいそうだから、本当に参る。
どこぞの少女漫画に出てくるヒロインか…。
ときめきそうになった胸を堪えて、また笑顔を作る。