碧眼の副社長は愛をささやく
「そんなに気になる?」

私が真剣な顔で悩んでいるのを見て、エリックが聞いてくる。

「エリックの全てが知りたい、これってわがまま?」

エリックは少し斜め上を向いている。

「じゃあ、話したら、抱かせてくれる?」

話さなくても、抱くんだろうなと思いながらも、
首を前にこくこく振る。

しばらく考えた後、ぽつりと言った。

「納豆と雷」

え?と聞き返す。

「納豆、日本食は好きなんだけど、どうしてもあのにおいが苦手で・・・
 雷は子供の頃から苦手なんだ・・・」

少しばつが悪そうに、エリックが話す。

「じゃあ、雷の夜は私が抱きしめて、眠ってあげるわ」

「それは嬉しいね、苦手な物聞いて、がっかりしない?」

「全然」

全く気にしてない私を見て、エリックは目を細め、私の髪をなでる。

「好きだよ」

「私も全て」

「じゃあ、お風呂・・」

「別々!」

すぐに言い切った私に、くすくす笑いながら、
エリックはお風呂場に消えて行った。

やっぱり、エリックって私よりずっと完璧よね。

心の中で王子様だしね、とつぶやいていた。
< 78 / 88 >

この作品をシェア

pagetop