私、今日からお金持ち目指します?
そんな妄想を抱いていると、「冬夏は僕がエスコートするから」と空耳が聞こえる。

「イヤーン」

怜華嬢と美麗嬢が条件反射のように声を上げる。そこで、空耳ではなかったと思い、上条勝利を睨む。が、アヤツの方が一枚も二枚も上手だった。

「装うということは、自分自身のためでもありますが、エスコートのお相手、更には、主催者に対する礼儀でもあります」

装う……礼儀……二つをイコールで考えたことがなかった。
着飾るのは、見栄の象徴ぐらいにしか思っていなかったからだ。

「どうぞ皆様、咲き誇る花となり、パーティーを大いに盛り上げて下さい。それが招待者の喜びでもあるのです」

そして、それが『富豪への道』にも続いているということか……?

「冬夏、君の装いを、僕は一番楽しみにしているよ」

突然、甘い囁きが耳元で聞こえ、思わず身を引く。
顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。

こら、冬夏! 悪魔に惑わされるでない!
アタフタしている私の横で、上条勝利がシレッと宣う。
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