私、今日からお金持ち目指します?
「どうしよう、ドキドキが止まらない!」
「俺も、弥生のドレス姿が見られるなんて!」

日下部さんと山下さんが手を握り合い見つめ合う。

「あっ、忘れていました」

そんな二人を邪魔するように、上条勝利が声を上げる。

「会場には、男性が女性をエスコートする形で入場します」

エッと山下さんが固まる。

「男性は衣装と髪型が決まったら、すぐこちらに戻ってきて下さい」

「本当はプロトコール・マナーを学んでから参加した方がいいのですが……」と上条勝利が宣う。

「……プロトコール・マナーとは?」
「国際儀礼や世界標準マナーとか言われているものよ」

日下部さんの言葉に、フーンと生返事を返すと、上条勝利が盗み聞きしていたのか、側まで来ると私の耳元に唇を寄せ「今度、手取り足取り教えてやる」と恐ろしいことを言う。

いえ、結構です! とキッと彼を睨むと、クッと笑い、「取りあえず」と声を上げる。

「付け焼き刃ですが、知らないより知っていた方がいいでしょうから、一通りご教授します」

全く! 私をからかって、何が面白いのだ!
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