バレンタイン・プレゼント
如月さんは、私が今やっている留守宅の管理を、それまでは彼のお母様に頼んでいたそうだ。
でも今の高台マンションに引っ越しをして、実家からの距離が遠くなったので、わざわざ頼むのも・・と気が引けていたらしい。
だから、留守宅の管理は近所に住む私に頼む代わりに、コロちゃんのお世話を引き受けてもらったと言っていた。
同じ会社に勤めていることも、私を信じて管理を頼む要因になったみたいだ。

如月さんはプロでもない赤の他人に、そういうことを頼んでいるという気兼ねがあるのか。
いつも「お礼に」と言っておみやげをくれた。

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