ぶっ壊れるほど愛してる


「酒飲んで口説くの辞めなよ」
鳥肌が立った腕を擦りながら奴にいう。


「今日は酒飲まなくてもこう言うつもりだったぞ」
すっげー綺麗な笑顔振りまいて話す白百合蓮。


「いや、なんか悪寒が…」

「櫻野、風邪でも引いたのか?」

「あんたがキモイ事言うからでしょ」

「蓮」

「は?」

「櫻野って俺のことあんたって言うよな。俺の名前、蓮だけど」

「いや、知ってるけど」

「じゃあ蓮って呼べよ、俺のこと社内で蓮って呼べるの櫻野だけだぞ。あ、俺もこれから華って呼ぶ事にする」

「ほんとやめて怖い。明日雪でも降るんじゃないかな…」

「華、今は8月だぞ?雪なんて降るわけないだろ」

「物の例えだろーよ!いやてか華って呼ばないでくんない?」

「もういいだろ華。おまえの名前は華なんだから。他になんて呼ぶんだよ。ウォンバットか?」

「その前に人間だからあたし」

「知ってるよ、あそうだ華。明日暇だろ?引っ越そう」

「は?」

「さっきの話だと華の家は貝塚くんの家のお向かいらしいな」

「そうだけど…」

「そんなところに華を住まわせるわけにはいかない。
明日には引っ越そう」

「いやいやまだ更新月でもないし、なんで貝塚くんの家のお向かいだと引っ越さないといけないのよ」

「華…」


何いきなり真剣な顔になって…。


「俺の彼女の華が元カレの家の向かいに住んでるなんて彼氏の俺としては気が気で居られないんだが…」


いやホントマジで頭痛。
てかむしろ吐き気。
飲みすぎとかじゃなくてほんとに、

いつそんな展開になったんだよ。


本日二回目の鳥肌。
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