くるみさんの不運な一日
「なんだ。そっか」

「ぶっ倒れた割には余裕だな」

「別にそういう訳じゃないけど、ちょっと感動した」

「感動?」

「ドラマみたいで感動した」

「…………頭打ったか?」

「はい、今ドラマ終わった」

「は?」

「残念な終わり方だった」

「…………」

シン――と、静かになった休憩室に、エアコン音。


その音と同じ勢いの冷たい風が、開ききってた毛穴を収縮していく。
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