くるみさんの不運な一日
こんな最低男に珈琲を淹れてやろうと思った自分を消し去ってしまいたい!!


……とは思うのに、何故か昨日に戻りたいとは思わなかった。


「あの事」がなかったら、こんな事にはならなかったのに、何故か「あの事」を無しにしたいと思わなかった。


確かに女がいるって言われた時は最低だって思ったけど。


あたしをそういう女だって言った時は最悪だって思ったけど。


それでも「あの事」自体を無しにしたいとは思わなくて――あんな風に抱かれた事がないだけに、無しにするには勿体(もったい)ない気がする。


あたし相当――バカなんだ。
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