くるみさんの不運な一日
そうは思っても、やっぱり実際手伝ってもらったから、憎たらしくて腹立たしいけど、珈琲くらいは淹れてやってもいいとは思った。


なのに。


「いや、いい」

あたしの優しさをまんまと踏みにじる天川智明は、「んー」と大きく伸びをする。


嫌みが空回りするならまだしも、優しさが空回りした。


情けを掛けてやったのに、思いっきり()退(のけ)けられた。


何だろう、この侮辱(ぶじょく)感!


何だろう、この恥辱(ちじょく)感!


穴があったら入りたい!!


過去に戻れるなら戻りたい!!
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