くるみさんの不運な一日
「くるみ」

「…………何か?」

電柱と塀の隙間に顔を入れ込んで隠れるあたしに伸びてきた彼の手が腕を掴む。


「俺の話を聞いてくれ」

「…………何を?」

掴まれた腕をグイグイ引っ張られるから、あたしは更に顔を隙間に入れ込んだ。


「俺の携帯見るのはいい」

「…………」

「見たいなら、見ればいいから」

「…………」

「見たからってくるみには何も思わない。怒るつもりもない」
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