愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
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声を掛けてきた女を高い所から見下ろす。
随分と斬新なナンパだ。
こんな小さな女を見た記憶もないところを見ると知り合いでは無さそうだ。
面倒な事に巻き込まれたくなくて、深い溜息をついた。
「いや遠慮しとく。」
そういってその場から離れようとする。
すると握られた足に目がいった。
小刻みに震えている小さな手。
よく見れば手だけでなく、身体全体を震わせている。
こっちが震えるなら分かるが何故そっちがそんなに震えているのか不思議に思う。
そんな決死な覚悟でナンパか?
くだらない。
馬鹿馬鹿しい。
この頭の可笑しい女の事を考えている事が馬鹿に思えて、一気に体を動かした。
「あ、、、。」
いとも簡単に離れた小さな手。