素直になれない、金曜日

もちろん、体育祭や球技大会に並ぶ学校の一大イベントで、その直前にこうやってたくさんの友達に恵まれたことは本当に嬉しい。


ゆるゆると頬を緩ませたまま、皆の話を聞いていると。




「そうだ!皆で一緒に文化祭まわろうよっ」

「いいね!」

「楽しそう〜」




一緒に文化祭をまわろうという提案に、みんなで盛り上がる。

わたしももちろん大賛成。


友達と一緒に文化祭まわったりするの、憧れていたんだもの。




「あ、うち彼氏と一緒にまわろって約束しててさ。どっちか一日だけなら大丈夫なんだけど」

「わたしも他校の彼氏が来てくれるみたい」




申し訳なさそうに、手を合わせるふたり。

そんなふたりの話をきいて、由良ちゃんは。




「じゃあ、みんなでまわるのは二日目にする?咲希の彼氏、他校なんだったら一日目しか来れないでしょ。てか、咲希に彼氏できたなんて聞いてないんだけど?」



由良ちゃんの言葉にみんな頷いて、咲希ちゃんは軽く肩を竦めた。


彼氏かあ……。


ありがとう、と微笑む彼氏持ちのふたりがあまりにも幸せそうで。

いいなあ、なんて羨ましく思う。




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