彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
◆指輪のえにし(花穂♪さんより)~完結~◆


つまらない。


夜店で見つけたゆるキャラと遊べなかった。

思い返して、久しぶりのため息が出た。








『夜店の屋台にジャニーズ系の可愛い男の子がいる。』



そう言って騒ぐ女達。





夏休みのため、サンドバッグのゴミ原がいないストレスを、その坊やにぶつけてみたくて見に行くことにした。



「いらっしゃいませー♪」



はじめて見る男、少年は可愛い笑顔で出迎えた。

屋台でバイトしてる若いやつは、けっこう中坊がいる。

未成年の労働は、家族でしてれば『親の手伝い』ならOKだし、『弟子』だとでもいえば、無理は通る。

警察も、年齢確認までして取り締まらない。

だからゆるキャラっぽい少年は、中坊だろう。

あたしらより年下の相手だが、なぜか目が反せなかった。

その少年は、ウルフヘアーで口元にマスクをしていた。

趣味の良いギャルソンスタイルとエプロンをしていた。

先に買ってたマキと夏美が私らのことを言ったらしく、「お嬢さん」と呼びながら話しかけてきた。

可愛い口調としぐさと笑顔。

つれてきた女達はノックアウト。

私はそれを心の中であざ笑う。

店員が客を褒めるのは当たり前。

浮かれてメス丸出し。

彼氏連れもいるのにはしゃぐアバズレ達。

男達は、彼女持ちも単品も、ゆるキャラ店員に嫉妬しはじめる。

そんな空気に面白くなる。






(これは久々に、『遊べる』わ。)






修羅場の予感に楽しくなる。



どうおもちゃにしようかと、アダムを見る。

ところがあいつは、勝手にぶちギレていてあたしの視線に気づかない。



(なにそれ?あたしが他の男に、声かけたのが気に入らないって?)



嫉妬深い彼氏にあきれながら、ゆるキャラ少年にメンチを切るアダムの前に立つ。

可愛い店員君に話しかけた。



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