不甲斐ない恋
馬鹿で最悪な
夜中のぴったり12時。

目の前にあるインターホンを躊躇なく押す。
夜中のぴったり12時。
常識外れだとは思うけど、他に行くあてが無いから仕方がない。


2,3分経っても、この部屋の主がドアから出てくる気配はない。



そりゃそうか、こんな時間もう寝てるよなあ。
でも俺、そしたらこの家以外どこに行けばいいんだろう。
もう俺には帰る所なんてないのに、また野宿かなあ。
こんな寒空の下野宿なんてしたら死ぬに決まってる。やだなあ。


しばらくドアの前で粘っていたけど、10分経っても開かないので、腹を括って野宿を決めようとドアに背を向けた時だった。

ガチャ、とドアが開く音がして、期待を込めて振り返ると、本当にびっくりした顔のけーすけくんが出てきた。
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